タイトル：ねんねこ通信112号
日付：2021/10/23(土)

　ねんねこ通信　112号　2021.10　　http://komoriuta.cside.com/
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◎目次

●ノーベル賞

●宇目の唄げんか

●けんか（喧嘩）って？

●編集後記
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◆ノーベル賞
　久しぶりに日本人のノーベル賞受賞者が出ました。気象学者の真鍋淑郎さんが物理
学賞を受賞しました。今、彼はアメリカ人です。頭脳流出の一人ですね。彼は地球の
大気の状態の変化をコンピューターで再現する方法を開発しました。地球温暖化の予
測法を開発した第一人者です。５０年以上前に、大気中の二酸化炭素が増えると地表
の温度が上がり温暖化への影響があることを予測し、それを証明したのです。「最も
面白いのは、好奇心に基づいた研究だ。私は気象変動の研究を本当に楽しいと思って
やってきた」彼は９０歳です。
　
　平和賞にはフィリピンとロシアの報道関係者二人が受賞しました。表現の自由を守
るために闘っている、民主主義と報道の自由が逆境に直面する世界で、理想のため立
ち上がるすべてのジャーナリストの代表であるとの評価でした。
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◆宇目の唄げんか
　宇目町は大分県の南部にあります。雇われた子守たちは、それぞれの雇い主の家に
帰りながら、一日の労働の辛さや痛み、哀しみをこの『唄』にぶつけているのです。
相手方との掛け合いになっていて「言葉の闘争」とも言われる問答形式の唄です。
「 わたしゃ歌いとうち　歌うのじゃないが　あまり辛さに　泣くかわり」

　A　あんこ面見よ　目は猿まなこ ﾖｲﾖｲ(※)口はわに口　えんま顔　ｱ ﾖｰｲﾖｰｲﾖｰ(米）
　　おまえ面見よ　ぼた餅顔で（※）　黄粉つけたらなおよかろ　(米）
　B　いらん世話やく　他人の外道　(※）　やいちよけらば親がやく　
　　　いらん世話でん　時々焼かにゃ　(※)　親の焼かれん世話がある　(米）
　C　わしがこうしﾁ旅から来ちょりゃ　(※)　旅のものじゃと憎まるる　(米）
　　　憎見ゃしません大事にします（※）　伽じゃ伽じゃと遊びます　(米）
　d　旅のものじゃと可愛がっちおくれ　（※）　可愛がらるりゃ親とみる　(米）
　　　可愛がられﾁ　また憎まるりゃ　（※）　可愛がられた甲斐がない　(米）
　E　ねんねねんねと寝る子は可愛い　（※）　起きて泣く子は面憎い　(米）
　　　面が憎けりゃ田んぼに蹴こめ　（※）　あがるそばからまた蹴こめ　(米）
　F　お前さんのよに憎まれ口は　（※）　はだけられてもしよがない　(米）
　　　はだけられてん世間は広い　（※）　広い世間に出ちあそぶ　(米）
　G　山が高うち在所が見えぬ　（※）　在所かわいや　山憎くや　(米）
　　　ままになるなら在所を山に　（※）　山を在所にしてみたい　(米）
　H　人の子じゃとてわがまま気まま　（※）　いつかおまえの恥がでる　(米）
　　　言わば言わせぬ　岩花つつじ　（※）　わたしゃ陰から　菊の花　(米）
　I　親がやるとて　行かれぬ先は　（※）　奥江　中岳　神の内　(米）
　　　嫁にやるなら田原にゃやるな　（※）　朝日照り行け　陽に焼ける　(米）
　　（※）はﾖｲﾖｲ　　（米）はｱ ﾖｰｲﾖｰｲﾖｰ
　　
　子守りの辛さを共感し、唄うことで慰めあっていますが、場面が変わると・・・。
　a あん子どこん子か　俺う見ち笑う　わしも見ちゃろ　笑うちゃろ
　　　いまんわたしは　納戸のナラセ　悪いことなら　かけらるる
　b　面ん憎い奴　マナイタにあげろ　青菜刻むよに　ザクザクと
　　　盆が来たなら　踊ろやせろや　憎いあん子は　せり出そや
　c お前面見よ　ボタ餅顔よ　キナ粉つけたら　なおよかろ
　　　お前さんよに　ご器量がよけりゃあ　五尺たもとに　文ぁ耐えめ
　 ・ 文はやりたし　書く手は持たん　やるぞ白紙ｼﾗｶﾞﾐ　文と読め
　
　また、ほかの場面では・・・。
　a　可愛がられち　ニキビが出来た　憎うちニキビが　出来りゃよい
　　　憎い奴じゃと　横目じにらみゃ　好きかと思うち　あん馬鹿野郎が
　b　子守りゃ辛いもんじゃ　身は親方に　心ばかりは　俺ﾜｼのもの
　　　奉公すりゃこそ　汝ﾜﾚんような奴う　お主ｼｭｳ様じゃと　奉る
　c　早よまぁ来りゃいい　お正月様が　来たら帰りましょ　我が里に
　　　お正月様が来たならば　おてんて飯ﾏﾏにお茶かけち
　　　おこんこ添えち　ザブザブと
　　　ホロロン　ホロロン ホロロンヨー
　
　参考図書　　日本の子守唄　松永伍一著　（紀伊國屋新書）
　　　　　　　子守唄の誕生　赤坂憲雄著　（講談社現代新書）
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◆けんか（喧嘩）って？
　広辞苑（第七版）で調べてみました。「やかましいこと。騒がしいこと」「争い。
いさかい」とありました。用例としては「喧嘩売り。喧嘩買い。喧嘩腰。喧嘩仕掛け。
喧嘩祭。喧嘩眼。喧嘩四つ。喧嘩両成敗。喧嘩別れ・・」など色々ありました。
・喧嘩過ぎての棒乳切（ﾎﾞｳﾁｷﾘ）ー喧嘩が終わってから棒や乳切木を持ってくること。
　時期に遅れて役に立たないこと。（乳切木とは、両端を太く中央を少し細くけずっ
　た棒。元来、物を担うためのものであるが、喧嘩などにも用いた））
・喧嘩に被る笠はなしー勝っても負けても喧嘩をしたら無傷ではすまないこと。
・喧嘩に花が咲くー喧嘩がいっそう烈しくなる。
・喧嘩は降り物ー喧嘩は雨や雪のようにいつ起こるか分からない。

　ちなみに「喧」の意味は「うるさい。かしましい」。「嘩」は「かまびすしい。や
かましい」などです。　たまには辞書を引くのもいいですね。　
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◆編集後記
　今月の31日は衆議院議員選挙です。各候補がそれぞれに公約を訴えています。いつ
も思うのですが、その公約を在任期間中にやってくれたらいいのに・・・と、です。
　コロナの感染者が、驚くほど減ってきました。ワクチン接種率が増えたからなのか
、みんなの自粛が功を奏したのかは分かりませんが、なぜかホッとしています。そろ
そろ旅行の計画でも立てようかしら・・・と思っています。

　屋上で鮮やかな花を咲かせているのはオオゴチョウです。例年より少し遅いのです
が、鞘が出来てきてどうやら種が出来そうです。寒さに向かうので完熟するかどうか
心配ではありますが、楽しみでもあります。
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