子守唄研究室
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ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信46号
日付:2010/10/17(日)

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 ねんねこ通信 46号  2010.10    http://komoriuta.cside.com/
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◎目次

●秋祭りに思う

●むすんでひらいての謎

●コラム−これからの「正義」の話をしよう

●編集後記

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◆秋祭りに思う
 この季節は日本各地で様々な催しが行われます。収穫を神様に感謝することが目的
の秋祭りでは、地場野菜が販売されてもいます。私は祭りそのものより、買い物を楽
しみに出かけています。
 今年もぶらりと出かけました。いつもと変わらぬ光景がそこにありましたが、農作
物の売り場はガラリとしていました。異常気象の関係から野菜の出荷量が少なかった
のか、価格の高騰の足しにと、飛ぶように売れてしまったのでしょう。残念。
 祭りには欠かせないお神輿や踊り、お揃いのハッピや浴衣を着た人々の中に、知り
合いの姿は見られませんでした。もう、そろそろ引退をする年齢になったのでしょう
か、まだ少し早いように思いますが・・・。
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◆むすんでひらいての謎

 むすんで ひらいて 手をうって むすんで
 また ひらいて 手をうって その手を うえに
 むすんで ひらいて 手をうって むすんで
 
 誰でも知っている童謡(子守唄では「遊ばせ唄」)です。この歌の原曲はフランス
の思想家ジャン・ジャック・ルソーの、オペラの幕間劇「村の占い師」に含まれるパ
ントマイムで用いられた曲なのだそうです。そのオペラは1753年3月1日パリの
オペラ座で初演されました。その後、ヨーロッパやアメリカに広まり「ルソーの新ロ
マンス」「メリッサ」「ルソーの夢」「賛美歌」などに編曲されています。アメリカ
では1850年頃から賛美歌から変容したとみられる「ロディーおばさんに言っとい
て」というアメリカ民謡として知れれるようになりました。
 
 ロディーおばさんに伝えてちょうだい
 おばさんの灰色ガチョウが死んだのよ
 羽毛ベットを作るために 
 おばさんがとっておいたガチョウだわ
 この前の金曜日に 納屋の裏で死んでしまったの
 後に残されたのは 餌を探し回る 
 9羽のガチョウの子たちなのよ
 ねんねよ 赤ちゃん

 この歌は、ロディーおばさんの他にナンシー、タビーなど様々な名前に置き換えら
れ子守唄として歌われています。ほかに「静かにおやすみ」もあります。

 しーっ! 私の赤ちゃん 静かに横になって おやすみ
 聖らかな天使たちが お前のベットを守ってくれる
 天の祝福が数え切れないくらい
 やさしくお前の頭に降りかかってくる。
 お前が立ち会えたのは ずっとすばらしいこと
 神の御子であるよりも
 天より御子が降りたまい
 お前のようなおさな子となりたまいし時に。

 では、日本では?
 1872年(明治5年)フレーベルのキンダーガルテンが日本に伝来してから、教
会で賛美歌として歌われるようになりました。
 「見わたせば」です。

 見わたせば 青やなぎ 花桜 こきまぜて
 みやこには 道もせに 春の錦をぞ 
 さお姫の おりなして 降る雨に そめにける。
 見わたせば 山べには 尾上にも ふもとにも
 うすき濃き もみじ葉の 秋の錦をぞ
 たつた姫 おりかけて つゆ絹に さらしける。

 この「見わたせば」が1889年(明治28年)軍歌(戦闘歌)になったのです。
 高等師範学校付属音楽学校教授 鳥居 忱(まこと)作歌 
     第一章(進撃)
 見渡せば 寄せて来る 敵の大軍 面白や。
 スハヤ戦闘(たたかい)始まるぞ。イデヤ人々攻め崩せ。
 弾丸込めて打ち倒せ。敵の大軍打ち崩せ。  
     第二章(追撃)
 見渡せば 崩れかかる 敵の大軍心地よや。
 モハヤ戦闘(たたかい)勝ちなるぞ。イデヤ人々追い崩せ。
 銃剣附けて突き倒せ。敵の大軍突き崩せ。

 そして、第二次世界大戦が終わって1947年(昭和22年)、文部省著作教科書
「一ねんせいのおんがく」第4曲に「むすんでひらいて」として収められたのです。
 
 参考資料(むすんでひらいての謎 KICG 3077)
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◆コラム−これからの「正義」の話をしよう
 ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室」がテレビで放
映されたのをご覧になった方も多いと思います。私もその一人です。課題が身近で興
味深い講義でしたが、講義に出てくる著書や著作者について基礎知識のない私には、
少々難解なところもありました。そこでこの本を購入したのです。サブタイトルは
「いまを生き延びるための哲学」です。
 1人を殺したら5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべき
か?との問に、私だったらどう答えるか。このようなことは、今まで考えたこともな
かったので、テレビでの学生たちとのやり取りを思い出しながら結論を出そうとしま
したが、迷いに迷って今も考えています。
 この社会に生きるうえで直面する、正解のない事象に決断をせまられるとき、その
奥に潜んでいる哲学や倫理の問題が見えるようになりたいと思うので、あの教室にい
る一学生になったつもりで、この本に向かっています。(早川書房)
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◆編集後記
 先日、栗駒山(岩手県)に登りました。山頂の紅葉は終わっていましたが、中腹は
鮮やかな錦を織り成していました。ススキを含めた草紅葉もきれいでした。そして、
須川温泉の源泉にも入りました。いい旅でした。
 我が家で三年育てたパンパスグラスに穂が出て、私の努力に報いてくれました。
 チリの鉱山事故のニュースが世界中を駆け巡りました。事故から70日間、地下64
0mの避難所にいた33人が全員無事救出されました。日本のどこかの企業が送った
「プチプチ」で気持を紛らしていたと言う話を聞きました。ホッとしました。
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