子守唄研究室
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ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信28号
日付:2007/11/28(水)

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 ねんねこ通信 28号  2007.11    http://komoriuta.cside.com/
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◎目次

●アンケートの書き込みから−2−

●山形県置賜地方の子守唄

●コラムー座敷童子(ざしきわらし)

●編集後記
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◆アンケートの書き込みからー2−
 ホームページの「アンケートにご協力ください」とのお願いに、皆様から貴重なご
意見をいただいています。前回の続きです。
・子どもの頃にはおぼろげに覚えていたものを、最近インターネットで正確な歌詞を
 調べて、子どもに歌って聞かせています。また、子どもがままごとで人形を寝かせ
 る時にも歌ってくれるようにと教えています。(20代)
・子守唄はうたってもらっていた記憶があるけれど、すっかり忘れてしまっている。
 でも、昔からのわらべ歌などと同じように、日本の文化だと思うので何か本などで
 もいいが、現代人にもわかるものがあるとよい。保育園・幼稚園・小学校などの環
 境でも新しい歌が主流となっているのはちょっと悲しいし、自分も忘れてしまって
 いるのが日本人として悲しいときもある。(30代)
・大人になってからも耳にすると、ホッとして優しい気持ちになります。子育ての時
 一生懸命歌いましたが、今、わらべうたの勉強をしていてまた子守唄に触れるよう
 になりました。若いお母さんは赤ちゃんのあやし方も寝かし方も知らない人が多い
 ようです。全てのお母さんが優しい気持ちで子守唄を唄ってくれるように、普及に
 努めたいと思います。(40代)
・既製のの唄でなくても、好きな歌を歌ってあげればよい。(60代以上)
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◆山形県置賜地方の子守唄

 坊やはよい子だ ねんねしな
 早くお目々をつぶらねど
 向こうの小山のもんもうが
 おっかいおっかい顔をして
 ねんねしない子 食べに来る
 坊やはよい子だ ねんねしな
 ねんねするなら 来ないけど
 もしもそれでも来たならば
 坊やの刀で切ってやる
 坊やの鉄砲で撃ってやる(米沢)
 恐いものが来たらやっつけてやるから、安心して寝なさいよ−−と。

 ねんねんねむの木 花が咲き
 赤い木の実がなりました
 南の方から飛んできた
 小鳥がその実をとりました
 誰にやるかときいたれば
 ねんねした子にあげましょう
 坊やも早くねんねして
 赤い木の実をもらいましょう(米沢)
 ねむの木に花が咲いて実がなって、小鳥がその実をとりに来た。美しい情景が脳裏
に浮かびます。私もその実が欲しいです。
 
 一つ人の子 おばしぇらっちぇ オーンバエ
 二つ日暮れまで おばしぇらっちぇ オーンバエ
 三つ水など汲ませられちぇ オーンバエ
 四つ夜まで おばしぇらっちぇ オーンバエ
 五つ因果な子守りこだ オーンバエ (白鷹)
 守り子唄です。「おばしぇらっちぇ」は「背負わせられる」の意です。

 ねんねんころりよ おやすみよ
 お目々ををつぶって 歌きいて
 歌は何歌 子守唄
 里のこもりの唄きけば
 おらがおとさん 馬ひいて
 朝な夕なに 町通い
 朝の家出は 星明り
 夜の帰りは 月が出る
 三国峠のまん中で
 里の灯りを見るという (米沢)
 父親がまだ帰らぬうちに眠りにつくのでしょう。どんな夢を見るのでしょうか。

 とんとんとろりこ とんとろり
 とんとんとろりとなる音が
 坊やのおねまにまだ来ぬか
 来なけりゃ迎えにまいりましょう
 あの山こえて鬼が島
 鬼のいぬ国 ねんね島(南陽)
 「とんとんとろりこ とんとろり・・」が耳に残って、眠りを誘うようです。

 オワイヤレ オワイヤレ
 山形の弥兵衛おかた(妻)
 おぼこ(子ども)産すどて 蕪こなした
 おやじに見せねで 煮て食った
 おやじ怒って 鉈ナタふった
 おかた たまげて医者よばた
 医者また たまげて 逃げてった(南陽)
 この唄は「間引き」を暗示しています。子どもを産んだのだと言えずに、産んだの
は「蕪」だと言って、夫が帰ってこないうちに殺して始末してしまったのです。夫が
知らないわけはありませんが、女達(産婆も)だけでやってしまったことにして、世
間からの非難を家人達からそらそうとしたのでしょう。むごい話ですが全国に実際に
あったことです。  参考(置賜のわらべ唄―武田正編 昭和46年刊 自家孔版)
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コラムー座敷童子(ざしきわらし)
 水木しげるさんの「妖怪大全集」によれば、棲息地は主に東北、形態は子どもで、
そのメモには『東北では、古い家に童子(わらし)がいると考えられている。家の主
人でもんなかなか姿は見えないが、童子は赤い顔をした子どものような姿をしている。
家に住みついている時には家は栄えるが、これが逃げ出すと家は衰えていく、と言わ
れる』と書かれています。
 座敷童子の由来は明白ではありませんが、昔、新生児を間引きしていたことがあり、
その間引かれた子どもの霊を祭る信仰が、このような形で今日まで伝わっているので
はないかと考えることも出来ます。また、子ども達と遊ぶ姿は大人には見えないとい
うことは、もしかしたら、遊んでもらっている子どもは、自閉症気味の子どもではな
かったかと考えると、座敷童子の存在はクロ−ズアップされてきます。そして、その
子ども自身も座敷童子ではなかったのかと。
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編集後記
 置賜は桜や江戸時代から続く「高玉芝居」で知られていますが、先月、紅葉を見に
行って来ました。月山の裾野を巡り、秘境と言われる小国の赤芝峡や玉川渓谷は、ち
ょうど見頃でタイミングのよい旅でした。
 急に寒くなってきたので、慌てて冬支度をしました。師走はもう目の前です。月山
も雪化粧をしていることでしょう。
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