タイトル：ねんねこ通信８０号
日付：2016/6/24(金)
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ねんねこ通信 80号 2016.6 http://komoriuta.cside.com/
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◎目次
●リーダーの品格
●五木の子守唄
●コラム−高村逸枝と五木の子守歌
●編集後記
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◆リーダーの品格
舛添都知事が辞任しました。数々の疑惑がありましたが、質問に対する返答の不明
瞭さが、聞いている人々の不快感をそそりました。「この人は、都知事としてふさわ
しくない！」と思ったことでしょう。公約した保育園や介護施設などへの視察へは行
かず、美術館巡りをしていたとは、あきれるばかりです。疑惑を残したままでいいの
でしょうか。そんな人を選んでしまったのも、都民なのですが・・・・。
『人を評価する』難しいですね。参院選もありますが、何を信じて誰に一票を投じ
たらいいのか、信頼できる人を選びたいのですが「君子豹変する」なんてこともあり
ます。選挙のたびに悩んでいます。１８歳の皆さんはどうでしょうか？
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◆五木の子守唄
守子唄の代表ともいえる五木の子守唄ですが、歌詞は唄う人によって様々です。子
守り達が自分が置かれている心境を吐露したものが多いからです。
おどんがお父っぁんな あんやみゃおらす おらすともえば いこごたる
おどんがお父っぁんな 山から山へ 里の祭にゃ 縁がない
おどんがお父っぁんな 山から山へ 宮座宮座にゃ 縁がない
おどまいやいや この山奥で 鹿のなく声 聞いて暮らす
おどんがお父っぁんな 川流しの船頭 さぞやさんかろ 川風に
山の谷間で なく鹿さえも 親が恋しと いうてござる
親は薩摩に 子は島原に 桜花かよ ちりぢりに
おどまいやいや この山奥で 花の都が みてみたい
おどもいやいや 泣く子の守りにゃ 絹の小袖に 巻かりゅとも
人の守りこは 哀れなもんよ どこで 死んでん 墓もなか
旦那さんたちゃ 茶碗めし食ぁすが おどま守り子で 握んめし
おどま親なし 七つん歳で 人の守り子で 苦労する
つらいもんばい 他人のままは にえちゃおれども のどこそぐ
子もちよいもん 子にくせつけて 添寝するちゅて 楽寝する
姉しゃん子もちやれ 子はおがからうで かろて育てて 後とらす
こん子にくらし おどんが抱けば なんせんのに すぐに泣く
ねんねして泣く 子にゃ乳のませ 乳をのませて 泣かんよに
ねんねした子の 可愛さ むぞさ 起きて泣く子の つらにくさ
ねんねーべんいうて 眠らぬ餓鬼は 頭たたいて 尻んねずむ
ねんねしなされ 朝起きなされ 朝は六時の 鐘がなる
ねんねしなされ 朝起きなされ 朝は御寺の 鐘がなる
ねんねしなされ 朝起きなされ 朝の目覚ましゃ 茶とタバコ
ねんねした子にゃ 米んめしくわしょ 黄粉あれにして 砂糖つけて
おどもいやいや 泣く子の守りにゃ 泣くというては 憎まるる
おどまいやばい 泣く子の守りにゃ 泣くというては つろうござる
おどまいやばな 泣く子の守りにゃ 守りといわれて つろござる
おどんば おごれば かるとる子が泣くで 泣けばおどんも 泣こござる
髪をつかんで 引っ張るよな こどま 旅のやんほしどんに くれてやろ
守りといわれて 腹がたつよでは 守りは守りでも げすの守り
こん子かわゆし この親にくし 出るに出られぬ 身のつらさ
うちの真婆女が ぐずぐずゆおば とうかのとぎで くわんとやれ
山をこえこえ 使いに来たが いもの一つも くれはせぬ
盆がきたつちゃ 正月どんが来ても 晴着一つも 着せはせん
こん子よう泣く ヒバリかヒヨか 鳥じゃござらぬ 人の子よ
おどまいやいや 泣く子の守りにゃ おどんま泣かんこの 守りがよい
おどまいやいや いやまのもりで いやといわれて だまされる
山でこわいのは イゲばら 木ばら 里でこわいのは 守りの口
おどま知っとるばってん いわんでのこつよ 言えば嫌われ 憎まれる
わしがおるじゅは ほうびゃぁたのむ わしがでたあいていうてたもれ
おどま一年奉公 二年ちゅちゅ おらん あてにゃ よか殿 気にいっと
話しゃやめにして 休もじゃないか おごけしまいられ 寝て話そ
おどんがごたってにゃ ものいうな 名いうな 情かくんな 袖ひくな
情かくっちゅて もみんぬかかけて さまの情は かゆござる
子どん可愛いけりゃ 守りに餅くわせ 守りがこくれば 子もこくる
おどま勧進かんじん ガンガラうってさるこ チョカでママ炊ぁて 堂でとまる
おどまかんじんかんじん かんじん袋さげて あんしゅ よか人 かたなさけ
おどんが歌とたいは 二階から笑ろた うたじゃ 飯ぁくわん ゴゼじゃなし
おどんがちんかときゃ やつおの雪駄 いまじゃほんけなって つのむすび
おどんがちんかときゃ 鐘うちせきった いきはほんとなって 一のむすび
おどま盆きっ盆きっ 盆かっ先ゃ おらんと 盆が早よくりゃ 早よもどる
おどまかんじんかんじん おんしたちゃよかし よかしゃよか帯 よかきもん
おどんが死んだちゅうて だが泣ぁてくりゅきゃ 裏ん松ちゃみゃ 蝉がなく
蝉じゃござらぬ 妹っでござる 妹っ泣くなよ 気にかかる
おどま馬鹿バカ 馬鹿ん持った子じゃって よろしゅ頼んもそ じこか人
おどんがうっちんずろば 道ばちゃいけろ 通る人ごて 花あぐる
花なんの花 つんつん椿 水は天から もらい水
おどんが若いときゃ 芳野に通た 木かやも なびかせた
わたしゃお前さんは 踏みやろごたる 四月五月の 泥足で
思いきりゃんせ 木にのぼりゃんせ こけて死なんせ わしゃ みとる
おどんがこん村に 一年とおれば 丸木柱に 角がたつ
花は咲いても どくな花はさかん 手足かかじる いけの花
思うてきたかよ 思わできたか わたしゃ裏から おもてきた
とととかかとは だきよて寝やる おどまちんかいとも ひとり寝る
今年ゃ ここん水 また来年は どこん流れの 水のもか
守りの雀も 別れをつげて 里へ出ていく わしゃ ひとり
あすは山越え どこまで行こか なくはうら山 蝉ばかり
おれと お前さんな 姉妹なろゃ お前ゃ姉さま わしゃ 妹
※参考資料 五木の子守唄の謎（KICG 3078）
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◆コラムー高村逸枝と五木の子守歌
屈辱時代の終焉への花束として、熊本五木の子守歌をささげたい。女の動く日は山
の動く日であるという。女の中でも、もっとも下積みの女であるとされた江戸封建期
の子守娘たち。彼女たちが血を吐くおもいで歌いあげた歌のかずかずは、一八世紀以
後の百姓一揆や都市細民の打ちこわし等にみられたあのものすごかった時代のこと、
おそらくは命脈をおなじくするものであったろう。
この歌は五木のみでなく、肥後一円で歌われた。私は熊本南部の水田地帯に育った
が、１０、２０人とうち群れて、肥後の大平野をあかあかと染めている夕焼けのなか
で、この歌を声高く合唱する子守たちの中に私もまじっていた。ただし、歌詞は、平
地から山地へと入るにしたがって深刻となり、球磨の五木へんで絶頂にたっしていた
と思う。そのわけは、後にいうように、そのへんが子守たちの大量給源地であったか
らだろう。高村逸枝著「女性の歴史」講談社文庫より抜粋
高村逸枝は大正・昭和期の女性史学者です。熊本県益城郡豊川村生まれ。母系制の
研究や招婿婚の研究など、多くの研究で日本固有の家族制度の通念に一石を投じまし
た。「女性の歴史」「日本婚姻史」「大日本女性人名辞書」など著書多数。
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◆編集後記
地震被害が大きかった熊本県、梅雨の季節に入って大雨による災害も起きています。
関東の水がめは水位が下がり、取水制限が行われました。自然をコントロール出来た
ら・・・と思うのですが、その事の方がもっと恐ろしい結果になりそうですね。
早くもパッションフルーツに実がつきました。他の植木たちは屋上の暑さに負けず
緑の葉を茂らせています。朝顔も蔓を伸ばし蕾を付けています。狭い屋上ですが、私
の気分転換には最高の場所です。
イギリス国民はＥＵからの離脱を選びました。世界経済の行方は？
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