子守唄研究室
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ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信67号
日付:2016/2/21(日)

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 ねんねこ通信 78号 2016.2  http://komoriuta.cside.com/
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◎目次

●女性と民法

●群馬県の子守唄

●コラム−赤城のへっぷり鬼

●編集後記
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◆女性と民法
 離婚した女性の再婚が6か月間禁止されていたことが、昨年12月の最高裁大法廷
で「違憲」との判決が出ました。それを受けて法務省は、再婚禁止期間を100日に
短縮し、離婚時に妊娠していなければすぐにでも再婚を認めるという改正案を国会に
提出し、今国会での成立を目指すということです。
 医学の発達で、妊娠していないことを証明することは容易です。それなのになぜ百
日間という規定を残しているのか、理解しかねます。
 離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子、とする規定はそのままあり、それが
無戸籍児を生む原因となっているので、このことについても解決策を見つけて欲しい
と思っています。女性は民法上、まだ不利なことが残っていますから。
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◆群馬県の子守唄

 水沢どんどん かけ流し 腹の真ん中へ 帯しめて
 お茶屋の真ん中へ 腰ょかけて ほっぺ叩けば 赤くなる
 やや餅ゃ どんどこどん
 ※はじめての誕生日を迎えた幼児に八つの重ね餅を背負わせ、健康と息災を願う風
  習があります。そのお餅のことでしょうか。

 ねんねんねころげて がに(蟹)がはいこんだ
 一匹だと思ったら 二匹はいこんだ 二匹だと思ったら 三匹はいこんだ
 三匹だと思ったら 四匹はいこんだ 四匹だと思ったら 五匹はいこんだ
 母ちゃんがたまげて お茶かけた (父ちゃんがたまげて 鎌投げた)
 ※幾つかの地方に同様の唄が見られます。何匹まで数えたら子供は眠るのでしょう
  か。
 
 ねんねんよ かんかんよ 嬢やはよい子よ ねんねしな
 ねんねして起きれば お乳やろ お乳のおてばが(のむのが)嫌ならば
 お茶のご飯に とと(魚)そえて さらさら食べたら うまいだろう
 嬢やのお守りは どこへ行った 八島の宿屋へ あんも(餅)買いに
 あんもを買って 誰にくりょ いい子にくれて はらませて
 お(男)の子を生んだら とりあげよ 取り上げの婆さん 名はなんと
 八幡小太郎と 名をつけよう 八幡小太郎の 馬屋には
 馬をいくつ つないだ 三十三匹つないだ
 草をいく段 刈り込んだ 三十三段 刈り込んだ
 ねんねんよ かんかんよ よい子だから ねんねしな
 ※「嬢やはよい子だ」と唄っているのは少ないです。しかし唄の途中から「男の子
  が生まれたら取り上げよ」そして、取り上げ婆さんに名前を付けてもらっていま
  す。昔の武将の名前の一字をもらったりもしています。

 ねんねのおともはどこへ行った 屋島の宿へあんも買いに
 あんも買って菓子買って誰に食わしょ おかよにくれて はらませて 
 女が出来たらふみつぶせ 男が出来たら取り上げろ
 取り上げ育ててお嫁とろ お嫁はいつ来る 晩に来る
 晩のいつ頃 十時ごろ 十時過ぎてもまだきない
 門の外へ出て見れば 嫁は手ばたき 歌でくる
 嫁の道具はなに道具 箪笥 長持 はさみ箱
 ※ここでは「生まれた赤ちゃんが女の子だったら踏みつぶせ(間引きです)」と言
  っています。貧しい家に子だくさん、食べさせていくのが困難だとして、息をす
  る前に「生まれなかった」ことにしてしまいました。間引き禁止令が出るまで、
  全国に見られた事実です。

 ねんねんねんねん ねんねこよ
 女が出来たら里にやれ 男が出来たら取り上げろ
 取り上げ婆さん名はなんと
 八幡太郎のお祝いに 高山下りに堂立てて
 堂のめぐりにケシ蒔いて おケシの花が咲いたらば
 一枝折ってはお手に持ち 一枝折っては腰にさす
 よういようい よいよいよう
 ※ここでは、生まれた女の子は里に出されます。里とは何を意味するのか。最良の
  場合は町の商家に養女として、最悪の場合は里山に埋められると考えられます。

 坊やの母さんはどこ行った 海山越えて谷越えて
 八重の潮路をへだつとも この世を渡る旅ならば
 また逢うこともあるべきに 帰らぬ旅の旅衣
 でんでん太鼓に笙の笛 みやげを待たんよしもなし
 ※昔は産後の肥立ちが悪くて、亡くなる母親が多くいました。この子のお母さんも
  そんな一人なのでしょう。帰らぬ旅の旅衣を着て行ってしまったので、お土産は
  期待できないのです。

 坊ちゃんはお守りにつれられて どこに遊ぶがお好きだろ
 春は羽根つき凧遊び 梅や桜の花のもと
 桃の節句になったらば 白酒あげよか雛の前
 夏は甘茶を釈迦の前 菖蒲 七夕 柏餅
 天王さまのお神輿に わいわいさわぐもうれしかろ
 ※こんな楽しい唄に巡りあうと、私も嬉しくなります。

 ほらよい 畑の西瓜の皮でも とっとと漬けとけ
 七月八月おかずのない時ゃ まったく重宝だ
 ※西瓜の皮の漬物「もったいない」の生活、暮らしの知恵ですね。

 ねんねん子守りは つらいもの 人には楽だと 思われて
 親には叱られ 子にゃ泣かれ 雨風吹けども 宿はなし
 人の軒端で 日を暮らす
 早く三月くればよい 三月三日は 出替わりで
 茶碗におまめで 箸あばよ ねんねろ ねんねろ ねんねろよ
 ※この地方では3月3日が子守りの入れ替わる日なのでしょう。この子は自分が使
  っていた茶碗やお箸に別れを告げています。
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◆コラムー赤城のへっぷり鬼
 たいそう昔、赤城の山には沢山の鬼がいた。その中にとても強い鬼が二匹いて、互
いに自分の力を自慢していた。二匹は赤鬼と青鬼、今まで何度も戦ったがいつも勝負
がつかない。山芋がたくさんとれた年、勝負の前に大好物の芋をたらふく食べた赤鬼
は、ブーブーとところかまわずおならをしていた。
 二匹の鬼は土俵にのぼり、がっしりと組合いそのまま動かない。おならを我慢して
いたからだ。ブーとすれば気が抜ける。そうしたら負けてしまうと思い我慢に我慢を
重ねていたが、行司が大きな声で気合を入れたとたん、我慢しきれずにおならを一気
に噴き出してしまった。そのおならは山を揺るがし、まわりの全てを吹き飛ばしてし
まった。二匹の鬼はその勢いで空高く舞い上がり、しばらくしてから落ちてきた。
 赤鬼は尻から落ちて大きい穴を作った。それが赤城山の大沼になった。青鬼は頭か
ら落ちて小さな穴を作った。それが小沼になった。
 この二匹の勝負は今でも続いていて、大きなおならを吹き鳴らしているそうです。
それが「赤城の空っ風」だと言われています。「赤城おろし」とも言われます。
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◆編集後記
 アラスカに行ってきました。3度目の正直で「私のオーロラ」を見ることが出来ま
した。満天の空に揺れれ動くオーロラは、正に神秘そのものでした。
 世界もですが日本の経済が揺れ動いています。オーロラは自然現象ですから揺れが
大きいほど美しく見えますが、経済はそれでは困ります。アベノミクスは機能してい
るのでしょうか。

 ミモザの蕾が膨らんできました。水仙達も花芽をのぞかせています。春が近づいて
来るのが感じられます。
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