子守唄研究室
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ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信76号
日付:2015/10/25(日)

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 ねんねこ通信 76号 2015.10  http://komoriuta.cside.com/
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◎目次

●マイナンバー制度

●岐阜県の子守唄

●コラム−養老の滝伝説

●編集後記
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◆マイナンバー制度
 『今年の10月から、あなたにもマイナンバーが通知されます』こんな政府広報を手
にしたのは春でした。そして今 10月、配達の準備が出来たようですが、簡易書留で
くるというので随分慎重なのです。封筒の中にはマイナンバーが書かれた「通知カー
ド」と「個人番号カード」の申請書が入っているようです。申請するには写真が必要
です。これから何年生きるか分からない私「申請 どうしょうかな」と思案中です。
 しかし、大事な個人情報、これまで人的ミスでどれほどの情報漏えいがあったこと
か。その度に「二度と起きないように…」と釈明しています。サイバー攻撃は避ける
ことは出来ないでしょう。せめて、そのようなことが起きないよう最良の防御策を構
築して欲しいと願っています。
 政府関係機関だけでなく民間事業者も扱うそうですので、心配は山積みです。
 私だけの危惧で終わってほしいものです。
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◆岐阜県の子守唄

 ねんねんよう おころりよ 坊やはよい子だ ねんねんよう
  まだ夜が明けぬ よい夢見つつ よい子だ泣くなよ ねんねんよう
 ねんねんよう おころりよ 坊やはよい子だ ねんねんよう
  日暮れの花の つぐまるように よい子だ泣くなよ ねんねんよう
 ※子守りをする人の願いが込められています。
  
 守りの憂いのは秋冬五月 寒の凍てにもたち暮らす ヨホホエヘヘ
 守りは守り連れ菜種は菜連れ 麦ははしこで連れがない ヨホホエヘヘ
 この子泣くのでわしまで痩せる 帯の二重が三重まわる ヨホホエヘヘ
 帯の二重が三重ならよいが 四重とまわりて房となる ヨホホエヘヘ
 守りは気違い泣く子をたたく たたきゃよけ泣くよけたたく ヨホホエヘヘ
 ※守子唄の典型的な歌詞です。とても辛くて痩せてしまったので、二重に絞めてい
 た帯が四重にもまわりその上に房にまでなると、その痩せ具合と帯のほつれを嘆い
 ています。
 
 ねんねしてくりょ今日は二十五日 明日はこの子の誕生日
  ねんねんね こんこんこ よいよいよいよ
 誕生日には何して祝う あずきぼた餅して祝う
  ねんねんね こんこんこ よいよいよいよ
 坊や泣くなよお父さは江戸に おっ母は名古屋のお座敷に
  ねんねんね こんこんこ よいよいよいよ
 ※この子の両親は出稼ぎに出ているようです。父親は商売で江戸まで行っているの
 でしょうか。母親は大商いの商家で座敷奉公をしているのでしょうか。子供にとっ
 ては寂しい限りです。
  
 ねんねんや ころころや ねんねの生まれたその日には
 赤いお飯(まんま)に魚(とと)添えて
 父さまのお箸であげましょか 父さまのお箸はととくさい
 母さまのお箸であげましょか 母さまのお箸は乳臭い
 姉さまのお箸であげましょう 
 ねんねんころころ ねんねしよう
 ※お箸の使い方が面白いですね。
 
 わしの兄さま学校の教師 おぞいことには餌差が好きで
 松の小枝に小鳥が一羽 これをさそうと竿さしあげて
 竿は短し小鳥は高し そこで小鳥の言うこと聞けば
 お前さす気かわしゃさされまい さされながらもおもしろい
 ※学校の先生がこんなことをしていたのでしょうか。それを面白がって茶化してい
 ます。鳥の気持ちまで取り上げています。
 
 げんごぁ婆さは焼餅(やこもち)好きで 宵に九つ夜明けに七つ
 一つ残いて袂に入れて 馬に乗るとててんころりんと落いて
 拾やひきょうなし拾わにゃ惜しい 心あいなら飛び上がれ焼餅
 ※この光景を考えるとクスッときますね。
 
 坊やはよい子だねんねしな もうやはその間に裁縫習うぞや
 坊やはよい子だねんねしな もうやはその間に読み書き習うぞや
 ねんねころいち寝た子は可愛い 起きて泣く子はなお憎い
 ※子守りをさせられて学校に行けない子は多くいました。そんな子だって向上心は
 あります。「もうや」は自分(子守り)のことです。
 
 こんなよう泣く子の守ゃいやじゃ 早く御新造ひまおくれ
 暇を出したにどこへなとゆきゃれ わしゃ機屋のくだ巻に
 ※子守りより少し年齢が高い女の子には、紡績の仕事がありました。現金がもらえ
 るということで、憧れていました。その待遇は過酷だったのですが・・・。

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◆コラムー養老の滝伝説
 古ゆ人の 言い来(け)る老人の 変若(を)つといふ 水そ名に負う 滝の瀬
(昔から人々が言っていた、老人が若返ると言う水ですよ、その名にふさわしい滝の
瀬は) 万葉集 巻六 1034 大伴宿禰東人
 これは「変若水」養老伝説のことをうたった万葉歌です。養老伝説は「若返る」「
痛みがとれる」という伝説と、後に発展した酒好きの父を養っていた男が山中で「酒
の湧く泉」を発見するという説話があります。
 
 昔、元正天皇の御時、美濃国に貧しく賤しき男ありけるが、老いたる父を持ちたり。
この男、山の草木を取りて、その値を得て父を養いけり。この父、朝夕あながちに酒
を愛し欲しがる。これによりて男、なりびさこというものを腰につけて、酒をうる家
に行きて、つねにこれを乞いて父を養う。ある時、山に入りて薪を取らむとするに、
苔深き石にすべりて、うつぶしまろびたりけるに、酒の香しければ、思わずにあやし
くてそのあたりを見るに、石の中より水流れいずることあり。その色酒に似たり。汲
みてなむるに、めでたき酒なり。うれしくおぼえてその後、日々にこれを汲みてあく
まで父を養う。時に帝、このことを聞し召して、霊亀三年九月にその所へ行幸ありて
御覧時じけり。これすなはち至孝のゆえに、天神・地祇あわれみてその徳をあらはす
と感ぜさせ給ひて、後に美濃守になされにけり。
 その酒の出ずる所を養老の滝とぞ申す。かつはこれによりて同十一月に年号を「養
老」と改められる。(十訓抄中巻 巻六第十八話)
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◆編集後記
 今年のノーベル賞 医学生理学賞に大村智さん、物理学賞に梶田隆章さんが受賞さ
れました。研究一筋のお二人、家族の協力に感謝をしていました。いいですね。

 今年はパンパスグラスが10本穂を付けました。スーパームーンの引き立て役を見事
にこなしてくれました。パッションフルーツも初めて果実を付け、完熟の甘さを味わ
いました。どちらも来年が楽しみです。
 10月24日は国連創設70周年の記念日で、スカイツリーも国連ブルーに装ったそうで
す。今の難民問題、国連では解決できないんですよね。形骸化してしまった?
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