子守唄研究室
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ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信48号
日付:2011/2/20(日)

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 ねんねこ通信 48号  2011.2    http://komoriuta.cside.com/
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◎目次

●季節の風

●ウサギ年にちなんで

●コラム−因幡の白兎異聞

●編集後記

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◆季節の風
四季の変わり目を告げる風に、色々な名前が付いています。先日も強い風が吹きま
したが、まだ「春一番」ではありません。春を告げる風には、春風、東風(こち)な
どもあります。
 東風吹かば匂いおこせよ梅の花・・・と菅原道真の歌で知られていますが、東から
の風がすべてそう呼ばれるのではなく、春に吹くときだけに限られています。そして
この季節は、受験生にとっては大事な時でもあります。
 今、世界中に吹いている風といえば、変革の嵐でしょうか。チュニジアやエジプト
で起きた革命の風が、近隣諸国に吹き回っています。どのような結果が得られるのか
まだ分かりませんが、国民の声が活かされることを願っています。
 日本の政界にも、改革の嵐が何度も吹いて欲しいものです。
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◆ウサギ年にちなんで

 今年は十二支の4番目、卯(う)年です。現代では私達の生活とのかかわりが希薄
になってきていますが、年賀状の時期になると思い出させてくれています。この子守
唄に出てくる兎は、耳が長くて目が赤い、一般的にアルビノといわれる輸入種です。
江戸時代中期ころから飼い兎として普及してきたそうです。

 ねんねこお山の 兎の子 どうしてお耳が 長ござる(なごござる)
 小さいときに 母さんが お耳をくわえて 引っ張った
 それでお耳が 長ござる
 ねんねこお山の 兎の子 どうしておめめが 赤ござる(あこござる)
 小さいときに 母さんが 赤い木の実を 食べたから
 それでおめめが 赤ござる  ねんねこせー ねんねこせー  (香川県)

 ねんねん山の 子うさぎは なァぜにお耳が お長いぞ
 小さいときに 母さまが お耳をくわえて ひっぱった
 それでお耳が お長いの
 ころころ小山の 子うさぎは なぜにお目々が赤うござる
 母ちゃんのお腹にいたときに 南天の実をば食べたから
 それでお目々が赤うござる                (高知県)

 ねんねん小山のお兎は なぜにお耳がお長いの
 おっかさんのおなかにいた時に 椎の実 榧ヵャの実食べたから
 それでお耳が長いもの ねんねんおころり おころりよ   (千葉県)
 
 ねんねんころりや ねんころり 床をとって寝さんせ
 とこさんの山の兎は なじょに耳が長いぞ
 あれは母のつわりに 枇杷の葉を好んで それで耳が長いぞ  
 (つわりの時に、きゅうりやクサヤを食べた)       (岡山県)

 ねんねんねんねん ねんねんや ねんねこ山の兎は
 なんで耳が 長いのか 産まれた時に父親が
 耳をくわえてふったげな ふったげな           (兵庫県)

 そのほか兎の耳が長い理由について
・カヤの実・椎の実を食べた(一般的な木の実・杉の実も)
 群馬・茨城・埼玉・千葉・東京・静岡・熊本・香川・福井・広島・山口・福島・青
 森県でうたわれていました。
・枇杷の葉をかんだり、食べたりしたーーーー→岡山・愛媛・長野・広島県
・長い木の葉を食べたーーーー→佐賀県
・ばしゃの葉・柳の葉を食べたーーーー→愛知県
・枇杷の葉・笹の葉を食べたーーーー→島根県
・小さい時に母さんが耳をくわえて引っ張ったーーーー→香川・高知・徳島・熊本県
・産まれた時に母さんが耳をくわえて引っ張ったーーーー→長崎県
・小さい時に乳母が耳をくわえて引っ張ったーーーー→大分県

 目が赤い理由は(上記のほかに)
・赤い木の実を食べたーーーー→香川・佐賀県

 耳が長い理由はたくさんあったのに、赤い目のことについては少なかったのです。
目より耳の方が目立ったからでしょうか。

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◆コラム−因幡(いなば)の白兎異聞
 古事記では「稲羽之素兎」と書かれています。一言でいえば、兎がワニを騙し皮を
剥がされた、そこを通りかかった大国主命に助けられた話です。「素」は「はだか」
または「しろ」を意味する説があります。

 大黒様(大国主命の別称)の童謡をご存知でしょうか。
 大きな袋を肩にかけ 大黒様がきかかると 
 ここにいなばの白兎 皮を剥かれて赤はだか。
 大黒様は哀れがり きれいな水に身を洗い
 ガマの穂綿にくるまれと よくよく教えてやりました。
 大黒様の言うとおり きれいな水に身を洗い
 ガマの穂綿にくるまれば 兎はもとの白兎。
 大黒様は誰だろう 大国主命とて
 国を開きて 世の人を助けなされた神様よ。

 古事記が書かれた奈良時代に、野生の白兎がいたのであろうか。島根県の沖にワニ
がいたのだろうか。そこに倒れていたのは未確認物体(宇宙人)ではなかったのか。
その事実を隠すために、この話を作り上げたのではないかと、私も面白がって楽しん
でいます。
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◆編集後記
 古希を迎えて身辺整理を始めました。仕事で集めた資料も、今はほとんどがゴミの
ような存在になっていたのです。でも一つ一つには思い出があり、捨てがたいものが
ありました。「これからの私の人生に必要であるかどうか」で分けました。生きてき
た証も選別しました。もう少しで終わりますが、これからは1年毎に、スマートにし
ていこうと思っています。
 プランターに植えた水仙が、雪にも負けず芽を出しました。春を待っています。
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